デザイングループの堀内です。
先日も書きましたが2年ほど前に双子が生まれ日々育児に悪戦苦闘しています。スマートフォン内の写真を見返していたところ、子供達の姿に交じって初めての育児にとても助けになった家電の写真が出てきました。
日本では販売されていない家電で、日本と考えの違いが面白かったので紹介をしたいと思います。
「Baby Brezza」と言う製品名の自動調乳機です。
自動調乳機とは粉ミルクと水を入れておけばボタン一つでミルクが作られる装置のことで、写真は海外から届いて開梱した際の写真でした。
新生児は、生後3ヶ月程まで3時間おきに一日8回授乳するようにと言われています。
個人差や多少のズレはあっても問題はないのですが、昼夜関係なく育児は続きます。
初めての育児、しかも双子なので回数も倍になります。
睡眠不足やヘルプに来てくれた人でも安心安全に調乳できる方法は無いかと考えました。
日本では、粉ミルクを調乳する過程でやむを得ず細菌が混入した場合、その菌を殺菌するため一度沸騰させた70℃以上のお湯を使用するようにと厚生労働省の指導があります。
さらに子供へ授乳する前に体温くらいの温度(約40℃)まで冷めてから与えます。
一般的にミルクは作り置きすることができませんので、電気ポッド等で急いでお湯を沸かすか、事前にお湯を準備しておいて調乳し、水道などで冷ましてから与えます。
この日本での現状に対して、私の家で導入したBaby Brezzaは事前に粉ミルクと水をセットし、調乳ボタンを押すと粉ミルクと暖められた水(約40℃)が攪拌されて出てきます。非常に簡単に調乳ができます。
もちろん予防のために殺菌済みの水を用意したり、定期的にBaby Brezzaから水を抜いて細菌の繁殖を防いではいましたが、調乳が安心安全に簡単に行えました。
装置の機構としては常温の水を適温に温めて粉と攪拌して出すだけなので特別なことは行われていません。
日本で同様の装置が開発されていないのは、厚生労働省の指導の70℃以上の一度沸騰させたお湯を使用しそこから適温まで温度を下げることがネックになっているようです。
海外では厚生労働省の指導のような規定は無いので、常温の水から直接適温に温めるだけの機構で自動調乳機はできているのです。
実際に使用するとBaby Brezzaは約半年程で水の温度が上がらなくなり故障してしまいました。
保証期間内ではあったのですが、海外のメーカーに連絡が取れず修理ができませんでした。
母乳やミルクだけで育つ期間は5~6ヶ月なのでギリギリ間に合ったとも言えなくはないのですが、残念でした。日本のメーカーが作っていたらもう少し長く使えていたかもしれません。
装置のデザインもチャイルドなスタイリングにはしておらず、白黒でシンプルにまとめられていたので好感が持てました。
欲を言うなら哺乳瓶をセットする必要があるため必然的に背が高くなってしまうので圧迫感を抑えるような視覚的な工夫が欲しいと思いました。
現状では海外から取り寄せるしか入手方法がないためコストがかかってしまいますが、人に紹介しても遜色のない家電だったと思います。故障するまでの半年間、この自動調乳機があったから安心安全に調乳ができ、手間を減らすことができました。
タグ: horiuchi, design