こんにちは。設計の林です。

 

数回前、国立科学博物館のブログ記事記事がありましたが、先日私も博物館に行って非常に楽しかったのでご紹介したいと思います。
松本にある時計博物館です。

 

入館料310円と安価ながら、様々な年代の多様な時計が“動態展示”(全部の展示品が動いています!)されておりかなり見ごたえがあります。
古くは日時計からはじまり、お香を燃やして時間を図る時計などを経て、重力時計、ゼンマイ時計、クオーツ時計など、
動力の変化や、精度、小型化、低コスト化を進めて普及していく過程や、さまざまな外観・用途の時計が展示されています。

 

ただ動力や見た目はいろいろなものがあったようですが、時計の本質は変化しておらず、その中心は「振動子」です。

 

おそらく多くの方にとってなじみが深いのが振り子時計のあの振り子です。
博物館には振り子時計だけでなく、技術進歩の過程で淘汰されてしまったであろう見慣れない振動子のものも展示されていました。
ばねを使ったもの、糸の巻き付きを利用したもの、坂を転がるボールをつかったものなど。

 

 

   

(左から順に、ばねを使った時計、糸の巻き付きを利用した時計、坂を転がるボールをつかった時計)

 

 

振動子よって時計のリズムが決まるため、振り子の精度がほぼ時計の精度になります。
どれも精度を出すには厳しいようで、昼過ぎ段階でそれぞれ数分ぐらいは遅れていました。
(おそらく開館前に巻き上げと時間合わせをしているものと思います。)

 

さて、現在はボタン電池で動くクオーツ時計が主流ですが、これは水晶に電圧を加えた際ある周波数で振動する性質を利用したものです。
また標準時を刻む標準時計は、セシウムが励起される光を照射し、その周波数を9192631770Hzとして1秒を定義したものだそうです。
(つまり周波数の9192631770倍を1秒と定義)
これはある周波数の光を振動子として扱っているわけですね。

 

このように同じ「時計の振動子」という目的に対して、一定周波数で振動する性質のものを利用する、と考えると様々な手段があり、
当時の製造技術で実現できたもの出来なかったもの、それぞれの長所短所を補いながら創意工夫を凝らしてきた歴史があるのを実感します。

 

たとえば
・振り子の腕の長さは気温で伸び縮して周期が変わってしまうが、これに対してどのような解決法があるか?
・時計を持ち運ぶことを考えた際、振り子は入らないし水平も保てないが、どのような解決法があるか?

 

あなたならどのように解決しますか?興味がある方は松本に行ったついでに時計博物館に寄ると楽しいと思います。

 

設計をする際にも同じように、物事を単純化したうえでいくつか手段を導き出し、それぞれの長所や短所を比較しながら仕様を決定していくことが多いです。
その際色々な製品を参照するのですが、最新の物だけでなく、過去の歴史からもヒントをもらえることもあるのだなと感じた次第です。


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