PEC株式会社 設計の小原です。 

 

設計していると切ってもきれない部品としてねじがあります。 

それに関連して、失敗しやすい事例があったので紹介します。 

 

 

◆具体例 

 

部品の製造中止によりガススプリングの変更が必要になりました。 

 

もともとのガススプリングの片側はM8のねじが切られており、それに取り付けられるように板金部品を付けていました。

 

代替品として候補に上がったガススプリングは、M10のねじが切ってあり、設計担当者は類似構造でM10用の板金部品を作成し試作確認を付けようとしましたが、いざ取り付けようとすると取り付けられませんでした。 

 

原因としては、M10のねじではあるものの、ピッチが一般的で使われるねじのピッチより狭い細目のねじが切られていたためでした。 

 

M10 並目 ピッチ P  1.5mm 

 M10 細目 ピッチ P  1.25mm 

 

後から図面確認してみると小さくですが確かに書かれていて、設計者の確認ミスといえばそうなのですが、その設計者自体はある程度経験を積んだ設計者でした。

 

しかし、普段の業務では細目ねじを使用することはなく、思い込みで並目ねじと思ってしまったそうです。 

 

大事にはならなかったのですが、思い込みで設計をしてしまうと危険な例でした。 

 

世の中には、ねじだけでなく様々な規格があり慣れていても確認することの重要さが大事だと思った失敗談でした。 

 

 

ちなみに何故、細目のねじが存在するかと言いますと、 

 

1.細かなトルク設定・管理がやり易い 

2.緩みにくい 

 

この2点のメリットがあります。 

 

ガススプリングは、ガスの力によってピストンが押されたり戻ったりする部品ですが 

動くたびに衝撃が発生するため、緩みにくい細目が使われていると思われます。 

 

細目ねじは、車やバイク、航空機等の重要箇所に使われているそうで、事前にそのような知識があれば防げた事例かもしれませんね 

 

最後までお読み頂きありがとうございました。 

 


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