こんにちは。PECデザイナーの重本です。

 

先日、家電量販品店に行った際、完全ワイヤレスイヤフォンのバリエーションの多さにびっくりしました。

技術的な進化具合もすごく、興味深かったので、今回は最新トレンドをまとめてみようと思います。

 

 

トレンド1.高音質とアダプティブサウンド

各社、高音質を実現するために様々な技術を取り入れていることを知りました。

まず、音質に大きく影響する要素として重要なのは以下の2つです。

 

●ドライバー

電気信号を音に変換する、イヤフォンの要となるパーツです。

ドライバーのサイズや種類によって、得意な音域や音場の広がりが異なり、音の臨場感やクリアさを左右する重要な要素です。

例)ダイナミックドライバー:低音再生に優れ、一般的なイヤフォンに多く採用されている。

  バランスド・アーマチュアドライバー:高音域の再生に優れており、クリアな音が特徴。

  ハイブリッドドライバー:上記2つを組み合わせ、高音から低音までバランスよく再生できる構成。

 

イヤホンに搭載されている「ドライバー」とは?覚えておきたい役割、種類、サイズの豆知識|@DIME アットダイム より引用

 

●コーデック

Bluetoothで音声データを圧縮・伝送し、再生するためのフォーマットや規格です。

コーデックによって、音質や遅延の程度が異なるため、対応デバイスや使用シーンに応じてコーデックが選ばれることが多いです。

例)

SBC:標準的なコーデックで、互換性が高く、接続が安定しやすい一方で、音質はやや劣化しやすい。

AAC:主にAppleデバイスで採用されており、iOSデバイスで最適な音質が得られる。

LDAC:Sonyが開発した高音質コーデックで、ハイレゾ音源を伝送できる。

 

ドライバーは音の「幅や広がり」、コーデックは音の「深さや解像度」を決めるといえそうです。

 

次にアダプティブサウンドについて。

今いる場所や状況に応じて、イヤフォンが自動で音を調整する機能で、搭載機種も増えているようです。

例えば、屋外の騒がしい場所では、外部の音に負けないように低音や音量を自動的に調整し、ノイズキャンセリングの強さも最適化するなど、環境に応じた最適な音響を提供してくれます。

 

さらに、先日発表されたAir Pods Pro2は、個人の聴こえ方に応じて音を高度に調整する機能も追加されましたよね。

補聴補助も兼ねたアダプティブサウンド機能はイヤフォンの役割を大きく変えてくれそうです。

 


AirPods Pro 2 – 聴覚の健康 – Apple(日本)より引用

 

このように、ドライバーやコーデックといったハード面の技術と、アダプティブサウンド機能といったソフト面の機能を組み合わせることで、各社が高音質を追求していることがわかりました。

 

 

トレンド2. アクティブノイズキャンセリング (ANC) の進化
耳栓のように物理的に遮音するパッシブノイズキャンセリングと違い、騒音と逆位相の音を出すことで音を打ち消すのが、アクティブノイズキャンセリング(ANC)です。

 

ANC技術自体は以前からありましたが、ここ数年でその精度や機能が大幅に向上し、複数のマイクが周囲の音を細かく検知できるようになっています。

リアルタイムで騒音に対応してくれるノイズキャンセリングはこれから益々重要な機能になりそうです。

 

さらに、ノイズキャンセリングと外音取り込みを同時に行う「ハイブリッドANC」も登場しており、周囲の会話や必要な外部音は自然に聞こえながらも、不要な騒音は抑えてくれます。

安全性が求められるシーンでも使いやすそうですね。

 

 

トレンド3.装用感と多様なデザイン

最後はイヤフォンの外観を決める、装用感とデザインについて。

イヤフォンをつける時間が増え、使用シーンも多様化する中で、さまざまな装着感やデザインのイヤフォンが出てきています。

大きく分けると、以下の3種類があります。

 

●カナル型

 イヤーピースを耳の中に差し込むタイプで、密閉性が高く、音漏れしにくいのが特徴です。

 ワイヤレスイヤフォンの主流でもあり、高音質を売りにしているモデルが多い印象でした。

 

 

↑イヤーピースが広く、返しがついているものも。密閉感がすごくて、軽く引っ張ったくらいでは抜けなかった!

ZE8000 MK2|final – イヤホン・ワイヤレスイヤホン・ヘッドホン|final 公式ストア

 

 

●インナーイヤー型

 イヤーピースがなく、耳の入り口に引っ掛けるタイプです。

 カナル型より圧迫感が無いので、長時間使用や外音取り込みに向いている印象です。


AirPods無印はインナーイヤー型の代表格!

AirPods 4 – Apple(日本)

 

 

●オープンイヤー型

 耳を塞がずに使用するタイプで、イヤーフックのように耳に掛けるものや、耳たぶに挟むタイプがありました。

 音の伝え方は違いますが、骨伝導イヤフォンもオープンイヤー型のひとつですね。

 耳への負担が少なく、周囲の音も聞きやすいので、スポーツなどアクティブなシーンを想定したモデルが多い印象でした。

 

 

↑軽い付け心地で快適!音漏れしているのではと不安になるが、意外と漏れていない。

Bose Ultra Open Earbuds | ボーズ

 


デザインに関しては、形状だけでなく、限られた面積を活かして色、素材、仕上げといったCMFデザインに各社が工夫を凝らしている印象でした。

 

↑いろんな質感と豊富なカラバリ。

イヤフォンがファッションアイテムの一部として定着しつつあることを改めて感じます。

 

 

 

…といった感じで、だいぶ端折ったつもりでしたが長くなってしまいました。

オーディオの世界は深いですね…

 

 


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