デザイングループの堀内です。

 

先日、建築家の藤本壮介さんの展覧会に行ってきました。藤本さんと言えば世界で活躍する建築家であり、2025年大阪・関西万博の「大屋根リング」をつくった方です。

今までいくつか藤本壮介さんの建築に触れる機会があり興味を持っていたことと、万博に行くことができそうになかったので「大屋根リング」について見てきましたので、おすすめしたいと思います。

 

 

展示の最初に5点の小さな模型が飾られており、説明文が添えられていました。

「この5点は藤本建築の思想や本展の展示作品をコンセプチュアルに表現しています。

日用品を組み合わせ建築模型のように見せているものには、建築があらゆるものから構成可能であるという考えを象徴します。」

全文は記載しませんが、たしかに藤本壮介さんの建築をコンセプチュアルに表現されています。

 

 

私が藤本壮介さんの建築に興味を持ち面白さを感じていたところは、いっけん建築物とは離れた有機的な自然の複雑さを取り入れながらも建築として成立しているところで、その面白さを展示スタートから表現している演出になっていました。

 

私のいだいていた藤本壮介さんの建築は「カオスの縁(振る舞いが秩序からカオスに移るようなシステムにおいて、秩序とカオスの境界に位置する領域)」な印象でしたが、

展示を見ていくとそれだけではなく、人間のサイズ感や感じる空間を熟知し、圧迫感を感じるようなスペースは無くし、抜けや広がりを感じさせるよう巧みに調整しているのが見て取れました。

ただのカオスの縁ではなく、意図的に空間をコントロールして建築の目的に即した形へと作られているのです。私はそこが見どころに感じました。

 

変わって後半に展示された大屋根リングは「カオスの縁」感が影を潜めて、よりコンセプトに対してストレートな表現になっているようでした。

昔からある貫接合(木に穴を開けてそこに別の木を通してくっつける方法)と新しい今の方法を使用している構造の部分に関しては複雑さを有していましたが、やはり強大な円形の大屋根は表現として強く、大阪・関西万博のコンセプトである「多様でありながら、ひとつ」をストレートに表現しています。

立案途中のスケッチの展示もありましたが、膨大な数のスケッチで案をブラッシュアップするなかでよりストレートな表現になったようです。

 

 

常々展示会等に行きたいとはおもうのですが、育児の間になかなか訪れることができずに会期を逃してしまうことがよくあります。

今回の展示会は会期も7/2から11/9までと長くなんとか訪れることができました。もし興味を持たれたら今回の藤本壮介さんの展覧会はお勧めです。

 

 


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