デザイングループの堀内です。
先日自宅の近隣にある建築で面白い光景を見かけました。
近隣にある建築のコンセプトは「空と大地と人がつながるウェルビーイングタウン」。
ウェルビーイングとはすべてが満たされた状態かつ継続性のある幸福を意味します。
そのコンセプトを元に作られたなかなか素敵な建築です。(ここでは建築自体の具体的な紹介はしませんが、気になるようでしたら調べてみてください)
コロナ禍が始まった直後にオープンした商業施設の建築なのですが、人工的な植栽と水辺による空間が心地よく整っており、飲食等の商業利用だけでなく子供達を連れての散歩ルートとしても利用しています。
そこには緩やかで長い階段とその横を流れる階段状の川があり、前述の人工的な植栽と水辺の一部として、モダンでありながら自然な丘陵を感じさせる空間になっています。
私は子供達が階段を上るには長すぎると感じ、いつの日か一緒に上がろうなどと考えていました。
本格的に夏の気候となり暑い日々が続いているせいで、子供達との散歩も気温の上がりきらない朝の時間帯になっていたのですが、その日はたまたま昼近くの時間に散歩に出ました。
川に近づくと多くの子供の遊び声が聞こえてきました。なにか子供向けのイベントが開催されているかもしれないなどと考えながら川の見えるところまで来ると大勢の子供達が川の中に入って水遊びをしていました。
オープン当初の私の記憶では、川の中は立ち入り禁止となっていたはずです。
川は浅く、流れも急でないため小さい子供でも安全に水遊びができるような条件は揃っていましたが、実際に立ち入り禁止は解除され、子供達やその保護者に埋め尽くされているなかなか圧倒的な光景でした。
水遊びに対して建築時にどう意図していたかはさておき、近代的な空間が子供達の勢いで変えられてしまったイレギュラーな光景が面白く紹介しましたが、私達の行っているデザインや設計でも最初にこちらが想定していなかったイレギュラーな使われ方をされることがあります。
想定していなかった使われ方だったとしても、安全が確保でき、ユーザー本位で喜んでもらえるなら、結果として良いことなのだと思いました。
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