新規オリンピック種目&メダル獲得でも話題になったボルダリングですが、私も流行に乗って1年ほど前から始めました。
ボルダリングは専用のきつめの靴を履いて行います。
始めた当初に購入したマイシューズがヘタってきたので、先日買い替えのためにお店に行ってきました。
一口にボルダリングシューズといえど、非常にたくさんのモデルがあります。
数えてみたら、La Sportivaというメーカが出しているものだけでも36種類ありました。
そんななかから自分の足と目的に合ったシューズを探します。
下の写真は私が試履きしたうちの、Flagship(左)とSkwama(右)。
この2つのシューズの違いに思わず設計者目線で注目してしまったのでした。
(皆さんはどこに注目しましたか?)
私が注目したのは かかと と 足の甲 のゴムの部分です。
(かかとや足の甲も使いながら登るので、こんなところにも滑り止めのゴムがついています。)
Flagship(左)のかかとのゴムは平らなゴムシートを貼り付けて作ってあるのに対して、Skwama(右)のほうは、金型によるゴム成型品を使用しています。これはボルダリングシューズにおいては珍しいことのようです。
対して、足の甲のゴム部分、ここは2つとも金型によるゴム成型品をつかっています。
ここも平らなゴムシートの切り貼りで対応しているモデルも多いですが、形状によるグリップ性能向上のため成型品を使うケースが増えてきているようです。
ここからは私の想像です。
足の甲のゴムは全サイズで共通形状の物を使用しても支障がないのに対して、
かかとのゴムはサイズごとに大きさを変えなくてはならず、成型品にした場合に用意しなければならない金型の数も多くなってしまいます。
そうすると製品開発にかかる費用が大きくなり、回収のためには販売数を増やすか販売価格を上げるかしなければなりません。
つまりSkwamaの方はこれらの課題を解消して販売されているということであり、
それだけ人気があってたくさん売れている靴なんだなあとなります。
さらに言いますと、このSkwamaはボルダリングシューズには珍しく2色展開です。
色展開を増やすのには金型のように初期投資は必要ありませんが、
単色の場合と比較して需要予測が難しくなり在庫を抱えるリスクが増してしまいます。
たぶん色を増やすことでの販売数UPが在庫管理リスクを上回ると判断したのでしょう。
業界大手ならではの製品づくりだなあと感じるわけです(Flagshipを作っているのは2017年設立の若く小規模な会社(Unpararrel)であるのに対して、Skwamaの方は設立90年以上の業界最大手(La Sportiva))。
※ここまでただのボルダリング初心者の想像話です。全然違っていたら申し訳ありません。
ちなみに私が今回購入したのはFlagshipの方。
お金がかかっている=万人にとって良いもの というわけでもない、というのが製品開発の難しいところでもあります。
以上、ちょっと長くなってしまいましたが、ボルダリングシューズを買う際に思わず設計者目線になってしまった話でした。
新しいシューズも買ってしまったことですし、これからも細々と続けていきたいと思います。
写真引用元
フラッグシップ ウーマン LV
https://www.lasportiva.com/en/skwama-man-black-10s999311
タグ: hayashi, 設計