皆さんは物の形状について考えたことはありますか?
普段身近にある色々な物たちの形について、「なんでこんな形をしているんだろう?」とか思ったことはないでしょうか。
以前、物を設計する上で「理由がない形はない」と言われたことがあります。
物の形は色々な要素が集まってできています。
要素とはそのものを表す定義であり、最小であれば点、点が集合することにより線が構成され、線によって三角や四角などの図形が構成され、それらが組み合わさることにより、立体の形状が構成されます。
設計的な観点で見ると、機能や構成部品、ユニット単位、また材質や製造方法、コストやデザインについても一つの要素となります。
これらが複雑に組み合わさり、製品の形状というものはできているのです。
例えば、日常的に使っているお茶碗について考えてみましょう。
お茶碗を構成する要素を考えると、先ず機能としてご飯を装うという機能が必要になります。
次に材質と製造方法を考えると、一般的には陶器、またはプラスチックでできていることが多いです。
陶器の場合は一般的にはろくろで作るため、基本的には回転させながら作れる形状である必要があります。
プラスチックの場合は射出成型となるため、金型で抜ける形状である必要があります。
この時点では、お皿のような平たい器でも成り立つのですが、ご飯を装う際に形が崩れにくく零れ難くするということと、器を手に持つ文化という要素を考慮すると、自ずとよく知っているお茶碗の形状になるのです。
このように一見単純そうに見える物の形状も合理的にできていたりします。
つまり、どんな物でも形には意味があるのです。
皆さんも身近な物の形がどうしてそのような形になっているのか考えてみてはいかがでしょうか。
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