Case Studies

Dialysis Monitoring Device

大胆なレイアウトチェンジで、
よりスタッフフレンドリーな装置に。

治療現場の観察から、見過ごされていた「設置と片付けの身体的負担」を発見。主要デバイスを腰から上に集約し、かがまず立ったまま扱えるレイアウトへと再構築しました。

DesignEngineering
Dialysis Monitoring Device

Overview

対象:透析用監視装置(TR-3300M)
クライアント:東レ・メディカル株式会社
開発期間:約3年

Background

透析用監視装置は、血液透析の治療を監視・制御する装置です。治療のたびに、装置のセッティングと治療後の片付けが発生します。

PECが実際の治療現場を観察してわかったのは、この一連の作業がスタッフにとって大きな身体的負担になっていること。とくに透析チューブの取り回しは扱いが難しく、かがんだ姿勢での作業が何度も繰り返されていました

メーカー側が当初は強く意識していなかったこの”見えていない負担”を、装置のレイアウトそのものから見直す——それがこのプロジェクトの出発点でした。

治療時のセッティング(血液回路・ダイアライザー装着状態)
治療時のセッティング|血液回路やダイアライザーを装着した状態。主要デバイスを腰から上に集約し、立ったまま扱える配置に。

Approach

  1. 現場の観察から、本当の課題を定義する — 治療現場でセッティングと片付けの動きを観察し、負担の正体(かがむ姿勢、チューブの扱いにくさ)を特定。見た目の刷新ではなく、作業の負担そのものを設計の対象に据えました。
  2. 主要デバイスを”腰から上”に集約したレイアウト — 血液ポンプやシリンジポンプなど、頻繁に触れる主要デバイスを腰から上の高さに配置。かがまずにセッティング・片付けができる構成へと変え、繰り返しの負担を根本から軽くしました。
  3. 外装・筐体まで踏み込み、大胆なレイアウトを成立させる — デバイスを上部に集約する構成は、内部の作りも大きく変わります。PECは外装デザインにとどまらず筐体設計まで担い、人間工学的なレイアウトを実際に成立する形へ落とし込みました。

Outcome

  • 主要デバイスを上部に集約し、立った姿勢のままセッティングから片付けまで完結する配置に。かがむ動作を大きく減らしました
  • デバイスを上部へ移すと内部の作りは大きく変わりますが、それを成立させる筐体構成までPECが設計。大胆なレイアウトを画に描いた餅で終わらせませんでした
  • 透析装置で当たり前だった配置を見直し、新規性・独自性のあるスタッフフレンドリーな一台

Working Style

PECの起点は、いつも現場の観察です。今回も、メーカー側が当初は意識していなかった潜在的なニーズ——「セッティングと片付けの負担」を現場で見つけ出し、それを装置の形にまで落とし込みました。

求められた要件を満たすだけでなく、まだ言葉になっていない負担を見つけて形にする。それがPECの価値だと考えています。

「使いにくさ」は、現場に立って初めて見えてくる。まだ語られていない負担を見つけ、形にすることが、PECのデザインです。

Process

  1. 構想・探索
  2. 基本設計・基本デザイン
  3. 詳細設計・詳細デザイン
  4. 試作・評価
  5. 製品化準備
  6. 運用・ライフサイクル