Case Studies

Linear Metering Pump

コンパクトで機能的な設計で、
ユーザビリティを大きく向上。

「外観のデザインを整えてほしい」という依頼から始まったLRシリーズ。PECは実際の使われ方の観察から操作性と独自性まで踏み込み、特許取得に至る縦型レイアウトへと再定義しました。

DesignInterface
Linear Metering Pump

Overview

対象:リニアポンプ(LRシリーズ)
クライアント:株式会社イワキ
開発期間:約半年

Background

イワキのLRシリーズは、独自のリニアアクチュエータで無脈動の精密送液を行う定量ポンプです。研究・実験やファインケミカル、医薬品開発といったラボ用途で使われます。

PECが参画したのは、すでに完成度の高いプロトタイプができあがった段階。当初の依頼は「性能はあるので、外観のデザインを整えてほしい」というものでした。

ただ、実際に使われる場面を観察すると、見た目を整えるだけでは終われないと感じました。設置や操作のしかた、チューブの取り回しまで踏み込めば、操作性そのものを引き上げて、より付加価値の高い製品にできる——そう考え、複数のプロトタイプを起こして提案しました。

Approach

LRシリーズの前面操作パネルと、上部に集約したポンプヘッド・配管接続部
縦型レイアウト|ポンプヘッドと配管を上部に、操作パネルとLED表示を前面に集約。配管・バルブ交換のしやすさと、見やすく扱いやすい操作性を両立した。
  1. 使われ方の観察から、依頼の枠を広げる — 「外観を整える」という入口にとどまらず、実際の設置・操作の様子を観察。実験用途では可搬性や設置の柔軟性、チューブの接続性が効くと捉え、操作性まで含めて価値を引き上げる方向を、複数案で提示しました。
  2. ポンプヘッドと配管を上部に集めた、縦型のレイアウト — チューブの接続性と設置自由度を起点に、ポンプ部を上部・操作パネルを前面に集約した縦型構成を提案。配管作業やバルブ交換がしやすく、省スペースで持ち運びやすい形にまとめました。この縦型の配管構成は、メーカーで特許を取得しています。
  3. 操作部・表示まわりの設計 — 前面に集約した操作パネルとLED表示を、自然な視線で見やすく、扱いやすい配置に整理。実験中の確認や設定の負担を抑えました。

Outcome

  • 外観の刷新にとどまらず、操作性まで踏み込んで向上
  • 縦型・上部配管という新規性・独自性のある構成を実現(メーカーが特許を取得)
  • 可搬性と設置の自由度が高まり、ラボでの取り回しがしやすい製品に

Working Style

最初のモック提案では、内部レイアウトの変更が大きく設計のハードルが高いことから、いったんは従来型に近い案に傾きました。それでもクライアント側が「せっかくなら挑戦しよう」と設計チームを後押しし、最終的にもっとも大胆な案が採用に至りました。

これはPEC自身が推していた案でもあります。社内検討だけでは選ばれにくかったかもしれない一歩を、クライアントと一緒に踏み出せた——挑戦を共に面白がれる関係が、形になった事例です。

「デザインを整えてほしい」という入口から、使い勝手と独自性までを問い直す。観察から価値を見つけ直すことが、PECのデザインです。

Process

  1. 構想・探索
  2. 基本設計・基本デザイン
  3. 詳細設計・詳細デザイン
  4. 試作・評価
  5. 製品化準備
  6. 運用・ライフサイクル