少し前の出来事です。
子どもが体調を崩し、病院でエコー検査を受けることになりました。
もちろん心配で付き添ったのですが、職業柄、どうしても子どもの様子より超音波診断装置のほうが気になってしまいます。
「どんな姿勢で操作しているんだろう?」
「右手でプローブ、左手はどの指でボタンを押してる?」
「この操作は片手で完結できたほうが使いやすそうだな。」
「モニターの位置がここなら、操作部はもう少しこっちかな。」
「でも、このレイアウトを実現するには筐体内のスペースが厳しいか……。」
頭の中では、いつの間にか設計レビューが始まっていました。
そんなことばかり考えながら、検査中はひたすら装置の操作を観察。
すると、医療スタッフの方から一言。
「お子さんをちゃんと見てください。」
……はい、その通りです。
完全に職業病ですね。
医療機器や産業機器のデザイン・設計、ユーザビリティを考える仕事をしていると、どこへ行っても「使いやすさ」が気になってしまいます。
でも、あの日、一番見なければいけなかったのは装置ではなく、子どもの顔。
仕事より家庭が大事な男でいたい。
……そう思いながらも、次に病院へ行ったら、またエンドユーザーの操作を見てしまう気がします。